「背守り」は、子どもの着物の背中部分に、おまじないのように施されていたものです。
子どもの着物は、背中心に縫い目のない「一つ身」と呼ばれるものですが、親たちは、その背中から悪いものが入ってこないようにと、いろいろな紋様を刺繍してきました。
その伝統的な紋様を施したお守り袋がこちらです。
紋様は、麻の葉、うさぎ、蝙蝠、松竹梅、桜などで、どれもおめでたいものばかり。
布地は、表を大麻布に、裏を薄絹にしました。
この絹と麻は、日本で古来から利用されていた素材で、
神道では、神様に「和妙(にぎたえ)」(絹)と「荒妙(あらたえ)」(麻)の反物を捧げる習わしがあるとのこと。
ちなみに「大麻(おおあさ)」は、神社のお祓いの時の道具である「大幣」にも使われている、とても馴染み深い素材です。
素朴な風合いの生地に、
災いが降りかからないように、
そして幸せが訪れるように、
という気持ちを込めて縫いました。
神社のお守りの中身はお札ですが、
こちらのお守り袋の中身には、連絡先や、緊急連絡先、アレルギー、服用している薬などを書いたメモを入れておくのも良いかもしれません。
背守りのように、
自分のために、子どものために、親のために、その人の好きな縁起物のモチーフで、ひと針ひと針縫い上げたものは、それだけで立派な「お守り」になるような気がします。
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