古典的な香り

日本でお香が作られるようになったのは、奈良時代の頃だと言われていますが、それ以来様々なタイプのお香が調香されてきました。
その調合は『薫集類抄』など様々な書物に残されており、それらの調合を紐解いていくのはとても楽しいものです。

今回は、南北朝時代の頃に書かれたとみられる薫物書物にある裛衣香(えいこう)を再現してみました。

こちらの裛衣香(えいこう)は、そのまま香らせる、いわゆる匂い袋に詰めるタイプのもの。
綿で包んで、袋に入れて香らせるようです。
ただ、いくら再現といっても、今と昔では、流通する香原料が違います。
名前が同じであっても、質が異なっていたり、場合によっては、種類も異なったりします。
そのため、同じ分量を調合しても香りが全くしないことや、おかしな香りになることも。

調合表から特徴をとらえながら、
この組み合わせなら、今ならこうなるかなと、考えながら調整していくのが大切です。

今回のこの香り、調合してすぐは弱い香りでしたが、少し置いて熟成させると、ふわっと香るようになりました。

昔の香りに思いを馳せて、少し遊んでみるのも楽しいものです。

すずめのおそで ‐ Suzume no Osode -

手作りお香のワークショップのお知らせや、趣味で少しずつ作っているお細工物等をちょこちょこ載せております。 どうぞごゆっくりご覧ください。 I am making Japanese traditional handicrafts, "Osaikumono (bags, pouches, Japanese style patchworks, etc)."